父、母を捨てる?? どうか一般人にわかる翻訳を。

聖書から
06 /26 2022
また、わたしの名のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子、あるいは畑を捨てた者はすべて、その幾倍もを受け、また永遠のいのちを受け継ぎます。(マタイ19:29)

「父、母を捨てる」という言葉は、日本人一般にとってつまづきとなりやすい言葉です。
カルト宗教と同一視されかねません。また「父と母を敬え」という十戒と、どう整合させるのか。
そこで私なりに調べてみました。

英語の聖書では、この「捨てる」という言葉は、「leave」が使われています。
And everyone who has left houses or brothers or sisters or father or mother or・・

さらにギリシャ語原文では、「去る」「離れる」「残す」「赦す」など、多様な意味を持った言葉です。
特に「罪を赦す」という文ではすべて、このギリシャ語が使われています。
同じ言葉が以下のように訳されています。

そのうちの一匹が迷い出たとしたら、その人は九十九匹を山に残して、迷った一匹を捜しに出かけないでしょうか。(マタイ8:11)
捕らわれ人に解放を(ルカ4:18)
私たちの負いめをお赦しください。(マタイ6:12)
彼らの信仰を見て、イエスは「友よ。あなたの罪は赦されました」と言われた。(ルカ5:20)

そこからこの原文の訳は、「離れる」がもっとも適切ではないかと思います。
「罪を赦す」ということも、罪から離す、自由にするという意味で理解できます。

『それゆえ、人は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となる』と言われたのです。(マタイ19:5)

このみことばが、両親から自立することを「離れる」と表現しているように、イエス様は、家、兄弟、姉妹、父、母、子などから自由になり、自立して神に従うよう招いているのではないでしょうか。

人は親離れして、自立することが大切です。特に両親の束縛、虐待などで逃げられなくなっている人は、そこからどうやって離れて、自立していくかが重要です。

神に従うことを妨げるものから、解放され、自立して従っていくことと、「父と母を敬う」ことは矛盾しません。
一時的は「離れる」ことを余儀なくされるかもしれませんが、やがて「その幾倍」にもなって、祝福の内に家族を得ることができるとイエス様は約束してくださいます。

この解釈に対して異論を持つ方もおられるでしょう。
私は専門家ではありませんのでご了承ください。

聖書全体を見れば、そんなことは明らかだ」という反論もあるでしょう。
であれば、「聖書全体を見て」この箇所を翻訳していただきたいです。

聖書は学者のものではありません。また信者だけのものでもありません。
一般の日本人に読まれてこその、聖書翻訳ではないのでしょうか。

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Luke Tokita

プロテスタント福音派信徒、在野聖書研究者です。

eBile Japanというサイトを運営しています。メルマガも発行してます。

教団、教派、特定の神学にこだわらず、信徒として学んだことを書き留めています。

いわゆる「キリスト教こたつ記事」です。

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